今日は日曜日だ。

風がさわさわ、小鳥がチチチ。
爽やか極まりない朝だった。

母さんは、日ハムとビジターで対戦する父さんを追っかけて北海道だし、ヒカリは最近出来た恋人の家に入り浸りだから、家には来ないだろう。

コトリが来たらウザいので、僕は、散歩に出かけることにした。

それが、間違いだったのかもしれない。

公園で缶コーヒーを飲んでたら、徹夜で遊んだ帰りらしいリア充大学生軍団に絡まれて、その中の非常に豊満な身体を持つ女性が、やたらと僕に胸を押し付けてくるのに対し、

「やめ、やめて……やめろよ! デブ!」

と、思わずストレートな発言をしてしまったところ、女性の彼氏らしき男が激怒し、公園の外に停めてた車に乗り込んだかと思ったら、そのまま柵を破壊し公園の中にまで乗り込んできて、推定時速30キロ程度のスピードで、僕は跳ねられてしまった。

朦朧とした意識で、

「どうする、これ」「まだ生きてるべ」「捨てるか」「山だな」「山だな」

などといった会話を聞きながら車に載せられ、山に運ばれ、県境になってる辺りの崖から、

「「「「「ばいば~い」」」」」

と捨てられてゴロンゴロンと転がり落ちる途中で気を失い、崖底近くの木の枝に引っかかった状態で意識を取り戻したら、もう夕方になっていた。

「いてててて……ただいまー」

家に帰り、誰も居ないはずだけど、一応あいさつして中に入ると、狛江さんがいた。
まあ、それはいい。

狛江さんに 家の鍵を渡したりした憶えも無いんだけど、まあ、それもいいだろう。
だって、狛江さんは僕の彼女なんだし。

問題は……

「お、おかえりー」
狛江さんの声に含まれた緊張と、

「……お帰り」
彼女と、向き合ってソファーに座っている人だった。

その人は、学生時代の母さんをガラスの灰皿で殴りつけてKOしたり、あるいは、プロ入団後3年連続で打率8割を記録し天狗になっていた父さんを三球勝負で破り、野球への初心を取り戻させた人でもあった。

その人は、僕の……

「おばあちゃん、来てたの!?」
「おお。きたよお。倫ちゃん」

……おばあちゃんなのだった。

<<すげえな、三上くんのばあちゃん>>

テレパシー的なアレで、狛江さんが話しかけてきた。
前回の戦闘の後から、変身しなくても使える様になった能力だ。

<<半端ねえな。尋常じゃねえよ>>